「医療保険改革法案:負担増の項目ズラリ 衆院委で可決」『毎日新聞』2015年4月24日

日々の業務に関わる重要な項目が多いです。また今年の8月から施行される介護保険の一定以上所得者に対する自己負担2割も念頭に置く必要があります。
医療保険改革法案:負担増の項目ズラリ 衆院委で可決」『毎日新聞』2015年4月24日
http://mainichi.jp/select/news/20150425k0000m010066000c.html

衆院厚生労働委員会は24日、医療保険制度改革関連法案を与党などの賛成多数で可決した。28日にも衆院を通過する見通しで、今国会での成立は確実だ。市町村の国民健康保険国保)の再編とともに、「能力に応じた負担」を打ち出しているのが特徴で、所得の高い人を中心に保険料や医療機関での窓口負担を引き上げる項目が並んでいる。

現在、サラリーマンの保険料は、1〜47等級の「みなし月収」を基に計算されている。上限の47等級(ボーナスの12分の1を含む月収が117万5000円以上)の人のみなし月収は121万円で、保険料は一律だ。

 だが、2016年度以降は、48等級(月収123万5000円以上)から50等級(月収135万5000円以上)まで区分が増える。このため月収123万5000円以上の人(約30万人)は等級が上がって負担が増え、その総額は約500億円に上る。

 例えば、月収が136万円の場合は47等級から50等級になり、保険料率の基準となる「みなし月収」が121万円から139万円に引き上げられる。保険料率が9%で労使折半とすると、天引き額は5万4450円から、8100円増の6万2550円となる。

 さらに16年度からは健保が設定できる保険料率の上限(現在12%)も13%に引き上げられる。

 保険料が上がるのは現役世代ばかりではない。後期医療で約865万人を対象に保険料を最大9割軽減している特例措置について、一部の低所得者を除いて17年度から段階的に廃止し、本来の「最大7割減」に戻す。夫婦とも年間の年金収入が80万円の世帯の場合、月の負担は今の740円から2240円と3倍にアップする。

 患者の窓口負担も増える。低所得者を除いて1食260円の入院食の自己負担を16年度に360円、18年度に460円に引き上げる。1カ月の入院で1万8000円の負担増だ。このほか同法案には、開業医の紹介状なく500床以上の大病院などの外来を受診する患者から5000円以上を徴収する方針も盛り込まれている。【吉田啓志】

 ◇医療保険制度改革関連法案による負担増と実施時期

▽2015年度

・給与総額が高い健保組合の高齢者医療への支援金を段階的に増額

国民健康保険料(介護分含む)の年額上限額を4万円増の85万円に(条例で定めた自治体のみ)

▽16年度

低所得者を除き、入院食の自己負担を1食260円から360円に
・紹介状なく大病院を受診する患者に5000円以上の定額負担

・月収123万5000円以上の人の保険料を引き上げ

・健保の保険料率上限を12%から13%に

・医師らの国保組合への国庫補助の段階的削減

▽17年度

・75歳以上の保険料の特例軽減措置の段階的廃止

▽18年度

・健康作りへの取り組みの有無で健保の高齢者医療費を10%増減

・入院食の自己負担を1食460円に再値上げ