新刊案内

2冊案内します。

木下大生ほか『ソーシャルワーカーのジリツ 自立・自律・而立したワーカーを目指すソーシャルワーク実践』生活書院,2015.12.26

○内容
ジリツしたソーシャルワーカーとはなにか? ソーシャルワーカーがジリツするためにはなにが必要なのか? 「価値」「理念」「専門性」だけではぶつかってしまう壁。その壁にぶつかり失敗を重ねつつ「よいソーシャルワーカー」をめざして今も取り組み続ける6人それぞれのソーシャルワーク実践。遭遇した経験が教えるものを自らの言葉で表現できること、実践知を自らのものにすることの中にこそ「自立・自律・而立」のあり方をみる、若きソーシャルワーカーたちへのエール。

○目次

はじめに 木下大生
CHAPTER1
ソーシャルワークにおける「支援観」──ホームレス状態にある人々の支援の現場から   後藤広史
CHAPTER2
ソーシャルワーカーの二つのジリツ(自律・自立)について考える   木下大生
CHAPTER3
私はいつ「ジリツ」したのだろうか?──ソーシャルワーカーとしての自覚の芽生えと責任の育ちを振り返って   長沼葉月
CHAPTER4
「良いソーシャルワーカー」について考えてみる──理想との出会いと別れ、そして付き合い方から   木村淳也
CHAPTER5
ソーシャルワーカーに「専門性」は必要か?──ビギナーズ・ラックとピア・サポートを手がかりに   荒井浩道
CHAPTER6
ソーシャルワーク実践の「評価」──ジリツしたソーシャルワーカーになるには   本多勇
おすすめの本 
おわりに 後藤広史

○著者略歴
木下 大生(きのした・だいせい) 社会福祉士 1972 年生まれ。聖学院大学人間福祉学部准教授。NPO 法人ほっとプラス理事。主な著書に、『知りたい! ソーシャルワーカーの仕事』など 後藤 広史(ごとう・ひろし) 社会福祉士 1980 年生まれ。日本大学文理学部准教授。専門社会調査士、認定NPO 山友会理事。主な著書に、『ホームレス状態からの『脱却』に向けた支援』など 本多 勇(ほんだ・いさむ) 社会福祉士 1972 年生まれ。武蔵野大学通信教育部准教授。介護支援専門員、保育士。主な著書に、『社会福祉実践における主体性を尊重した対等な関わりは可能か』など 木村 淳也(きむら・じゅんや) 社会福祉士 1971 年生まれ。会津大学短期大学部講師。主な著書に、『臨床ソーシャルワーク』など 長沼 葉月(ながぬま・はづき) 精神保健福祉士 1976 年生まれ。首都大学東京都市教養学部准教授。主な著書に、『高齢者虐待防止のための家族支援』など 荒井 浩道(あらい・ひろみち) 社会福祉士 1973 年生まれ。駒澤大学文学部教授。専門社会調査士。主な著書に、『ナラティヴ・ソーシャルワーク』など

コメント:30〜40代の「若手」教員による著書。全員が社会福祉士精神保健福祉士いずれかの資格を取得していることがポイント。講義の要件になったことも要因と思われるが時代の変化を感じる。


朝日新聞経済部『ルポ 老人地獄』文藝春秋,2015.12.18

○内容
男女混合で雑魚寝、汚物の処理もせずノロウイルスも蔓延…。「ひもつきケアマネ」に食い物にされ、都内から都外の施設に追いやられる。こんな老後に誰がしたのか?硬骨の本格的社会派ルポ!

○目次
プロローグ 老人が報われぬ国
第1章 下層化する老人たち
第2章 カネなし家なし人手なし 八方ふさがりの老人介護
第3章 老人ビジネスに群がる社会福祉法人
第4章 医療・年金制度は崩壊している
第5章 老後の沙汰はカネ次第、でいいのか
あとがき 記者たちが目撃した現実

コメント:本当に悲惨。医療ソーシャルワーカーも倫理観を失えば一寸先は闇。