「妊娠や出産、相談急増 熊本『こうのとりのゆりかご』」『佐賀新聞』2015年12月31日

慈恵病院(熊本市)の取り組みで、ソーシャルワーカーのことを取り上げている記事を初めて読みました。98床で相談員9名体制とは、業務内容が急性期病床と違うとはいえなかなか特異な配置だと思います。ソーシャルワーカーの病院の「外付け」というのは、多職種協働の点で考えると、色々な点で院内で働くよりもやりやすいかもしれませんね。ただし、当事者のご意見も機会があればうかがいたいです。

慈恵病院 妊娠SOS
http://ninshin-sos.jp/


「妊娠や出産、相談急増 熊本『こうのとりのゆりかご』」『佐賀新聞』2015年12月31日
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/264665

■県外の若者多数「全国的支援態勢を」
 親が育てられない赤ちゃんを匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」を設ける慈恵病院(熊本市)への相談件数が、右肩上がりで増えている。熊本県外の若者が妊娠や出産について問い合わせるケースが多く、病院は「正しい性知識の普及や、全国的な支援態勢が必要だ」と感じている。
 2015年の師走。相談員のソーシャルワーカー平田直美さん(37)は、妊娠を疑う女子学生からの電話相談に応じた。「性行為に避妊具を使わなければ、いつでも妊娠の可能性はあります」と伝え、妊娠検査薬の買い方や病院の受診方法を丁寧に説明した。
 相談者の半数は、10~20代。男性からの問い合わせも増えており、相談件数の約2割を占める。平田さんは「インターネットの情報を信じ込む人が多い。性教育で適切な知識を伝えることが、社会的な課題だ」と、現場での印象を語る。
 慈恵病院は07年5月、国内唯一のゆりかご開始と併せ、電話やメールも使った24時間態勢の相談室を設けた。ゆりかごを題材にしたテレビドラマの影響などで相談室の知名度が上がり、相談件数は12年度に1000件となり、14年度には4000件を突破した。
 15年度は11月末時点で3614件に達し、過去最多を更新しそうな勢い。病院は9人いる相談員をさらに増やし、相談室をNPOとして独立させることも検討中だ。

 相談室には、熊本県外から夜中に「今、自宅で出産した」と、すがるように助けを求める電話もかかるという。蓮田太二理事長(79)は「一病院だけでは、対応に限界がある。緊急の相談にも対応できるような、各病院との連携や全国的な態勢整備が必要だ」と訴えている。