気になる雑誌2冊

偶然次の2冊の本(いずれも2017年12月号)を発見。興味深い特集だ。

『保健の科学』59巻12月号,2017

「特集 地域包括ケアシステムにおける社会福祉士への期待-相談支援の質を向上させるソーシャルワーク・スーパービジョン-」

〇目次
◆地域包括ケアシステムにおけるソーシャルワーク・スーパービジョンの必要性
      藤林 慶子(東洋大学社会学部教授)

ソーシャルワーク・スーパービジョンとは何か
      野村 豊子(日本福祉大学大学院教授)

◆北米におけるソーシャルワーク・スーパービジョン
      北島 英治(日本社会事業大学大学院特任教授)

社会福祉士のスーパーバイザー養成プログラムの開発と評価
      岡田 まり(立命館大学産業社会学現代社会学科教授)

日本社会福祉士会におけるスーパービジョン研修
      前嶋  弘(社会福祉法人みなと寮参事,
      公益社団法人日本社会福祉士会生涯研修センター企画・運営委員会委員)

◆日本医療社会福祉協会におけるソーシャルワーク・スーパービジョンへの取り組み
      宮崎 清恵(神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授)

精神保健福祉士の専門性の継承と発展に向けて
 ―日本精神保健福祉士協会における認定スーパーバイザー養成の取り組みから―
      田村 綾子(聖学院大学人間福祉学部人間福祉学科教授,
              公益社団法人日本精神保健福祉士協会副会長) 

ソーシャルワーカーの成長過程に即したスーパービジョンの実際
      保正 友子(立正大学社会福祉学部社会福祉学科教授)

『看護教育』Vol.58 No.12,2017



「特集 省察的実践者を育む ショーンからの提起とともに」

〇内容
確立された技術を学び,実践に応用する,という従来の「専門職」観を脱却し,自身の行為を,変化する状況のなかで振り返りながら実践していく,という新たな専門職の実践「省察的実践」を打ち立てた『省察的実践とは何か』(2007年),そして2017年に翻訳が刊行された『省察的実践者の教育』は,世界の教育学・看護教育学の論文でも膨大な引用数を誇ります。著者であるショーンは,現在もっとも影響力をもっている学習理論家の1人だと言えるでしょう。
 しかし同時に,ショーンほど誤解されている理論家もいないかもしれません。ショーンの著作に「正解」や「マニュアル」「わかりやすい定義」を求め,それを学んで応用しようという,多くなされているこの読まれ方こそ,まさにショーンが否定しようとした,古い専門職の姿勢に他ならないからです。ショーンを読むということは,語られた事例に自身の実践も照らし合わせながら,実践の意味,また実践の背景となった,思考のフレームを組み替えていくことを意味しています。そのような省察によってこそ,専門職としての学びが得られることが,ショーンの重要な提起だといえるでしょう。
 今回の特集では,できる限り,ショーンの提起した問題意識を引き継ぐべく,ショーンの思考の流れを確認していくと同時に,複数で実践を語り合うことで照らし合わされる省察の事例を掲載いたしました。皆さんの探究を誘うきっかけになれば幸いです。

〇目次
■『省察的実践者の教育』を読み解く
柳沢 昌一
■看護教育におけるショーンの提起の重要性
前川 幸子
■ショーンの探究に誘われて 協働探究の試み
【事例1】
 学生がピンとくるイメージを伝えるわざを磨く
岡本 朋子/村田 晶子
【事例2】
 ピアによるディスカッションにおいて,リフレクションを深めていくこと
室井 佳奈/村田 晶子
【事例3】
 教員同士のリフレクションという実践:気づきの連鎖
青野 美里/前川 幸子
【事例4】
 クロスセッションを組織することをとおして得た専門職教員の学びの省察
椙山 委都子/入江 直子/村田 晶子