研修受付の仕組みづくり

法人化した職能団体ではあるが職員を置いておらず、研修規模が数十名から300名程度であることを想定して、研修受付の仕組みづくりについて述べる。

研修を開催する場合、告知・申込受付・受付票の返信・当日受付・受講費の受取といった要素を含み検討することになる。

それぞれの要素に対する選択肢は、以下の通り。

告知:紙媒体・メール・インターネット
申込受付:メール・FAX・インターネット
受付票の返信:メール・FAX
受講費:研修当日に現金払い・事前入金

これらをどの様に組み合わせるかが課題となる。有料研修の場合、受講者も主催者も一番手堅いのは、申込受付完了後に、受付完了の案内を申込者に送り、受講費の入金が確認できたことを主催者が確認したら受講票を送付。研修当日に受講者が受講票を提示して当日は現金のやり取りは無しにする、という流れであろう。

しかし、主催者にとってこの手順は事務作業の多さから極めて負担が大きく、理事や研修委員が通常業務の片手間で行うことは困難と考える。

また、各要素の選択肢ごとの課題は、以下のものが挙げられる。

■告知
紙媒体・メールは手軽だが周知に限りがある。インターネットは設定のためのリテラシーが課題に。

■申込受付
FAXはポピュラーだが、職場のFAXを使用することになるため職場の理解を得ておかないとトラブルになりかねない。また、FAXに記載された情報を主催者が転記で記入するため、書き間違いが起こりうる。インターネットは設定のためのリテラシーが課題に。

■受付票の返信
個別にメール・FAXをすることは事務作業が増えてしまう。また、操作間違えも起きやすい。

■受講費
事前入金の場合は、誰がどの研修の件で入金したのかが分からない。入金時の備考で研修番号や申込番号を合わせて入力してもらうことで判別する対策は講じることができるが、申込者が必ずしもキャンセルポリシーの設定が必要となるがあらかじめお金を頂くことから研修の案内以上に慎重な検討が必要になる。また、台風など主催者側の都合で研修を中止した場合の返金の事務作業も相当なものとなる。主催者と金銭管理者が異なると(それが望ましいが)双方の確認のための事務作業が増えてしまう。研修当日に現金払いとすると、主催者が入金までの間にお金を紛失するリスクや着服するリスクがある。

研修の告知・申込受付・受付票の返信については、これまでこくちーずプロを使用することで上記課題をクリアしてきた。操作も簡単なため操作のためのリテラシーは持っていなくてもよい。残るは受講費の支払い方法である。

スマホを用いたキャッシュレス決済
キャンセルにまつわる手間を回避するためには、事前決済は採らず当日スマホを用いたキャッシュレス決済をするのが望ましい。Printed QRで参加費を事前設定しておき、当日受付でキャッシュレス決済する。但し、これを実現するには2つの前提が必要となる。第1にサービスを提供している会社(LINE、楽天Amazonペイ、d払い、オリガミペイなど)のうちどれか1つの会社を主催者が選び、受講者も同じ会社でのキャッシュレス決済ができるよう事前口座登録をしていること。第2に、受講者がスマホを持っていること、である。

Printed QRの例
thumnail
出典:LINE

キャッシュレス決済の現状については、次の特集が大変参考になった。後述するイベント管理サービスに比べて手数料が低く(数年は無料の予定)、それもまた魅力的である。但し、上記2つの前提を満たすようになるにはもう数年は必要であろう。


■イベント管理サービス
代表的なサイトとしては、PeatixPassMarketYahoo!)、イベントペイが挙げられる。WEB上での研修の告知・受付・キャンセル・事前入金がすべて自動で行える。事務員がいない職能団体であれば事務作業の軽減が最も重要な要素となる。但し、キャンセルポリシーの設定や有料研修の場合は手数料が発生するといった課題は残る。あくまでも相対的なものだか、手数料・支払い方法の選択肢の多さ・手続きのしやすさを考えると、現状ではPeatixが選択肢となる。事前決済方法がクレジット・コンビニ・ATMで申込者側で選ぶことができ、またその支払いに申込者が手数料を支払う必要がない(一部では発生)のが決め手である。

研修規模や受講費の有無、運営団体の規模によって事情は異なると思うが、私が現在担っている立場においては、Peatixを活用することが到達点となっている。