全国社会福祉教育セミナー2020 受講録

300名近い参加者があったとのこと。

全国社会福祉教育セミナー2020(オンライン)
http://jaswe.jp/doc/20201115seminar-chirashi02.pdf

日程:2020年11月15日

主催:一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟

【プログラム】
13:30~ オープニング
13:40~ 基調講演(収録配信)
『地域共生社会に求められるソーシャルワーク
講師 同志社大学教授 永田祐氏
14:40~ シンポジウム
「地域共生社会とソーシャルワークソーシャルワーク専門職として依拠すべき
 倫理・価値規範と政策理念としての『地域共生社会』の関係をどのように捉えるか~」
日本社会福祉士会 西島善久会長
②日本精神保健福祉士協会 田村綾子会長
③日本医療社会福祉協会 林真紀副会長
④福祉系大学経営者協議会 丸山悟会長

16:40~ 意見交換・質疑応答
17:25~ クロージング 第50回記念大会開催に向けて

■印象に残ったこと・考えたこと
〇『地域共生社会に求められるソーシャルワーク
講師 同志社大学教授 永田祐

ソーシャルワーカーを配置すれば包括的な相談支援ができるわけではない。むしろ、「社会的つながりが弱い人」の課題が一人に丸投げされて、ソーシャルワーク機能を発揮できないことが危惧される。
社会福祉士新カリキュラム『社会福祉の原理と政策』は社会福祉原論の復活。
→来年度より新カリキュラムが開始となる。
・実習時間180→240時間に60時間増
・実習先は2ヶ所以上で行う必要がある(複合的な問題に対応できる人材育成)。機関でなく、地域で実習できる仕組み。
・「あかんで帰しちゃあかん」し「断ってからが相談」で、そこから必要な支援を組み立て、参加を支援し、必要な制度を生み出していけるような『体制構築』と『人材養成』に取り組んでいきたい。
・自助→共助→公助の順番ではなく、循環である。
・2014年に千葉県銚子市での母子心中事件


(感想)
社会福祉基礎構造改革からまでの歴史的経過を非常にうまくまとめられている。

〇シンポジウム「地域共生社会とソーシャルワークソーシャルワーク専門職として依拠すべき
 倫理・価値規範と政策理念としての『地域共生社会』の関係をどのように捉えるか~」
日本社会福祉士会 西島善久会長
・地域共生社会の実現に向けて新たに求められる役割や機能を社会福祉士が果たすことができるよう、試行研修を展開する予定。Zoomミーティングを活用したオンライン研修(2日間)。全国展開時は、講義をe-ラーニングとし演習を集合型(1日)で実施することを想定。
・重層的支援体制整備事業は希望する市町村の手あげに基づく任意事業
厚生労働省補助金社会福祉推進事業分)を活用して、研修プログラムや教材等を開発している点は良い。
・生涯研修制度基礎課程の講義のe-ラーニング化を進めている。
・養成教育から職能団体の研修への継続性。養成教育ができること、職能団体ができることの共有。
→具体的な内容について言及無し。残念。

②日本精神保健福祉士協会 田村綾子会長
精神保健福祉士は、「共感共苦」を通した「社会への提言」を行っていく。


(感想)
・中期ビジョン(2016-2020年度)を踏まえた、各種委員会活動の成果を踏まえた報告となっている。
・日常業務で思考過程にある実践知を言語化する努力をしている。

③日本医療社会福祉協会 林真紀副会長
・先日の総会を踏まえ、今後「日本医療ソーシャルワーカー協会」に団体名称を変更することを明言。

(感想)
・配布資料がないのが残念。

④福祉系大学経営者協議会 丸山悟会長
・福祉系大学経営者協議会加盟27大学の2019年度卒業者数4912人のうち、医療機関へは423人(9%)
社会福祉士の上に付与するスペシフィックな資格については、大学院教育も含め検討が必要。その際、現在の教員だけで対応は難しい。現任者の力もお借りしなければ。

■白澤会長
ソーシャルワーカーが1つの専門職であるということは共通認識になりつつある。一方で、子ども家庭福祉分野においてスペシフィックな能力も求められている。こういった状況にどのように対応するか。構造化しながら対応が必要。

■全体の感想
やはり、来年度日本社会福祉士会に加入する時期にきたと思う。