『クオリティ・インジケーターとソーシャルワーカー介入必要基準』研修会

研修案内が職場にFAXされているのをみて、そのまま東京行きの新幹線のチケットを予約しました(笑)科研費によるこの間の研究のまとめについて直接聞けるので、とても興味深いです。

研究代表者である文京学院大学の笹岡眞弓氏は、『医療社会福祉研究』第21巻,2013で以下の通り大変印象的なことを述べています。

社会保険部をつくって『退院後、半年経過した時点で在宅復帰率が上がった』ことを根拠に退院支援の効果のデータを作りました。ソーシャルワークをするとこんなにいいことががあると、質の部分で、在宅復帰率をターゲットにしたわけです。2006、8、10、12年の診療報酬改定の流れの中である部分の医療ソーシャルワーカーの業務の評価を獲得してきたと思います。ただチーム医療の一員として、疾病構造の変化と高齢化の進展、その中で私たちが苦悩しているのは、在宅復帰率の貢献、平均在院日数の削減への貢献は、患者の生活の質を本当に確保しているのかということです。業務の本質にとって、これから足かせになるのかもしれないと思たりすることもあります。医療ソーシャルワーク効果のアウトカムは『在宅復帰率と予期せぬ再入院率の削減』だけでは決してないのにそこを強調せざるを得ないというのは、すごく悩むところです。

今、クオリティ・インジケーター(QI)をどうやって表すのか、見えない業務をどのように見せていくのかということに取り組んでいます。脳卒中の発症からアメリカだと48時間以内で、日本は7日以内に患者に会ったかどうか。それが質評価になりうるのか、研究しているところです。いろんなところでヒアリングし、コアメンバーで話し合っても核心はわからない、『QI化』はできない。やっている、やっていないという指標じゃないと科学的データとして認められないわけですが、私たちの業務はそのような評価がなじまない業務がすごくい多いことに気づかされます。改めてそこだけをとりだしていくと、やっている業務の本質から外れてしまう。言いたいところが言えるようなデータではないというkとを痛感しています。果たしてアウトカムということが『在宅復帰率と予期せぬ再入院の防止』のみか、防止のみではないのに、そこを強調するかしか、今のところ行政からの評価を得る手段がないということが悩ましいと思っております。」(p42)

以下、日本医療社会福祉協会のHPから転載します。


【研修の概要】
今、現場のソーシャルワーカー(以下SW)に求められているのは何か? 従来より“Evidence based practice“(根拠ある実践)が求められてきました。さらに最近では根拠を明らかにすることに加えて、質の高い科学的根拠に基づいた支援が要請されています。これまで多くのSWが課題としながらも取り組みが難かった本件について、この分野の研究者と全国のSWの協力を得て厚生労働省科学研究費により調査研究を行いました。ご協力いただいた全国のSWの方には深く感謝いたします。

本研修会では、国内・米国のインタビュー調査や、全国の急性期病院に入院した全入院患者の調査から統計解析を行い、導き出された成果を発表します。第1に、医療においては各専門分野毎に業務の質を改善するために測定する指標『クオリティ・インジケーター』のSW版。第2に、全入院患者の中でどのような人にSW支援が必要かをスコアの点数で把握する『SW介入必要基準』。第3は、「SWが早期に介入する効果」を発表します。(指標と基準は『SWHSソーシャルワークデータシステム』にも組み込みました。)

東京会場では、クオリティ・インジケーターについて聖路加国際病院院長の福井次矢先生が講演し、聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床疫学センター 上級研究員の大出幸子先生からは、実践を統計解析によって証明する手法の講演をしていただきます。兵庫会場では、医療経営が専門の小山先生に、SW実践を診療報酬評価に反映させていくためのエビデンスについて、診療報酬改定も含めたホットな情報を講演していただきます。
尚、本研修は当協会の認定医療社会福祉士の10ポイントの対象です。

【申込期間】当日まで参加を受付けますが、各会場先着順で定員になり次第受付を締め切ります
【申込方法】添付の用紙にお名前・会員番号・ご所属・電話番号等をお書きになり、ファックスにて当協会03-5366-1058に  送信してください。
【受講費】 会員 3,000円 非会員 5,000円当日会場でお受けいたします。
(両会場共通です。お釣りのないようにご協力ください。)

【お願い】
・参加お申込み後、受付票・受講票等はお送りしません。当日会場にお越しください。
・研修内容は、予定です。やむをえない事情により変更する場合がございますのでご了承ください。
【会場地図・アクセス】
  詳しい会場の地図、場所は、近日中にホームページに掲載いたしますので、再度ご覧になってください。


  詳しくは、添付の関連ファイルをご覧ください。


申込用紙PDF


[ 関連ファイル]
   ※右クリックで「対象をファイルに保存」でダウンロードできます。