新刊案内

今回はなかなか渋い2冊。

安井豊子『CVA(脳血管障害)保健医療ソーシャルワークと人権』風詠社,2016.1.23

○著者略歴
敬和学園大学人文学部共生社会学科教授。1955年大阪府生まれ。1980年立命館大学産業社会学部卒業。1980‐1990年医療ソーシャルワーク実践。1991年佛教大学社会学社会福祉学科通信課程卒業。1993年立命館大学大学院社会学研究科修士課程修了(修士(社会学))。2004年関西学院大学大学院社会学研究科社会福祉専攻博士課程後期課程単位取得満期退学。2015年新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科医療福祉学専攻博士課程後期課程修了(博士(保健学))。岐阜経済大学皇学館大学を経て2009年より敬和学園大学社会福祉士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○内容
医療制度改革下における生存・生活権保障の担い手として、保健医療ソーシャルワーカーに求められるシームレスな支援のための地域連携。その必要性と実現への方途を、14年に及ぶ渾身のライフワークの成果から明らかにする。

○目次
序章
第1章 生存・生活権保障と保健医療ソーシャルワーク
第2章 保健医療・福祉政策と保健医療ソーシャルワーク
第3章 保健医療・福祉政策がもたらすCVA患者の保健医療ソーシャルワークの現状と課題―ソーシャルワークプロセスの中断化・分断化の視点から
第4章 保健医療・福祉政策がもたらすCVA患者の保健医療ソーシャルワークの分断化から連続性に向けて―MSWのCVA地域連携クリティカルパスへの介入の視点から
第5章 政策的展開を見据えたCVA保健医療ソーシャルワークの構築に向けて―技術論、政策論の統合的視点から
終章

コメント:脳血管障害に疾患を絞った医療ソーシャルワーク



高橋恭子『戦前病院社会事業史―日本における医療ソーシャルワークの生成過程』ドメス出版,2016.1.20

○著者略歴
1965年埼玉県生まれ。明治学院大学大学院博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。現在、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○内容
戦前の病院社会事業を対象に、日本の初期病院社会事業の生成過程を検討し、その全体像を明らかにする。また、慈善事業から社会事業へと変化する歴史的経緯の中で、他の社会事業とどう関連しながら展開したのかも考察する。

○目次
序章 研究の目的と方法
第1章 明治から昭和戦前期の病者の生活と医療福祉制度の変遷
第2章 戦前における医療ケースワーク論と病者に対するケースワーク実践
第3章 泉橋慈善病院における病院社会事業
第4章 済生会病院における病院社会事業
第5章 東京市療養所における病院社会事業
第6章 聖路加国際病院における病院社会事業
第7章 病院社会事業に関する比較検討
終章 初期病院社会事業の全体像
資料編

コメント:病院という視点から社会事業史を分析。聖路加国際病院済生会病院国府台病院は医療ソーシャルワークの歴史上有名だが、泉橋慈善病院や東京市療養所における医療ソーシャルワークについて章立てされており興味深い。