データサイエンス
貧困。意思決定支援。地域の医療・介護事業所との連携(ネットワーキング)。退院支援以外にMSWが取り組む分野として思い浮かぶことである。
また、患者のニーズ把握や業務効率化という側面から運用部分で新たに取り組める分野にデータサイエンスがあると思う。具体的な事例として、先日の記事の取り組みがある。
電子カルテ上の膨大なデータ(診療録・検査データ・レセプトデータ)からは、新たな知見を知ることができる。その方法論として注目されているのがデータウェアハウスだ。ツールは電子カルテに外付けするタイプと内包して いるタイプがある。MSWの業務に即して考えると、特定医療費助成制度の対象病名ではあるが、同制度を利用していない患者は当院にどれだけいるか。利用していない場合、①重症分類上対象 外、②軽症かつ高額対象外、③申請中、④申請忘れ、⑤本人が希望しない、といった理由が考えられるが、少なくとも④については改善が必要である。④は単純な申請忘れと軽症かつ高 額の申請忘れがある。対象者について、主治医に確認し必要であれば患者・家族と面接を行い申請支援をする。
他院の取り組みでは、救急外来を月2回以上受診した未成年患者について、患児やその親に対する支援を主治医と共に検討し、必要があれば面接を行う。
今後、人口学的な観点から大都市部では高齢患者の増加で急性期病院のベッドは埋まらざるを得ず、入院とはならなかったがケアが必要という患者の増加が予想される(すでに起こっている未来でもあるbyドラッカー)。外来から依頼を受けて動くのはなく、患者支援と診療支援のためにMSWから外来へアプローチする。恐らくこの部分にポイントがあるのではないかと漠然と考える。
以下は、備忘録。
○データウェアハウス
「特集 真に有用なデータウェアハウスを考える」『月刊新医療』40(3),2013年3月号,pp.72-95
http://www.newmed.co.jp/shin-iryo/N1303.html中村義智「研究用途を意識したデータウェアハウスの構築 (研究に使えるICTを考える) -- (情報の最大活用の要件とは何か)」『月刊新医療』40(10),2013年10月号,pp.151-154
川本俊治ほか「データウェアハウスを活用した褥瘡管理システム導入と利用者評価」『日本医療マネジメント学会雑誌』14(3), pp.121-126, 2013-12
川本俊治ほか「データウェアハウスを活用した退院支援管理システムの在院日数に及ぼす効果」『日本医療マネジメント学会雑誌』15(4), pp.251-255, 2015-03
矢崎清美ほか「フリーウェアを用いたデータウェアハウスの構築」『診療情報管理』21(3), pp.56-60, 2010-02-26
富士通DWH(データウェアハウス)ソリューション
http://www.fujitsu.com/jp/solutions/infrastructure/construction/dwh/
○データサイエンス
- ga031: 《特別開講》「社会人のためのデータサイエンス入門」総務省
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga031+2016_03/about - ga063: 「社会人のためのデータサイエンス演習」総務省
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga063+2016_04/about
※総務省が提供する、無料のデータサイエンス授業。
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一般社団法人データサイエンティスト協会
http://www.datascientist.or.jp/index.html
※理事に『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 』の著者である安宅和人氏がいる。 - 岩波データサイエンス
https://sites.google.com/site/iwanamidatascience/