書籍紹介
日福大長沼先生の紹介。爆笑というよりは感動する「お言葉」が随所に出てきて、思わず涙ぐんでしまった。
さだまさしの『償い』という歌をこの本で知り、聴いてみてまた涙ぐんでしまった。
(印象に残った文章)
・東京高裁では1999年から、心理カウンセラーが週2回、裁判官や裁判所職員の相談に応じる態勢が整っていました。しかし、裁判官の利用はほとんどないようです。(p49)
・今、この場で子どもを抱きなさい。わが子の顔を見て、二度と覚せい剤を使わないと誓えますか。(p118)
・本件で裁かれているのは被告人だけではなく、介護保険や生活保護行政の在り方も問われている。こうして事件に発展した以上は、どう対応すべきだったかを、行政の関係者は考えなおす余地がある。(p126)
長嶺超輝『幻冬舎新書031 裁判官の爆笑お言葉集』幻冬舎,2007.3
(内容)
「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。
(目次)
第1章 死刑か無期か?―裁判長も迷ってる
第2章 あんた、いいかげんにしなさいよ―あまりに呆れた被告人たち
第3章 芸能人だって権力者だって―裁判官の前ではしおらしく
第4章 被告人は無罪―「有罪率99.9%」なんかに負けない
第5章 反省文を出しなさい!―下手な言い訳はすぐバレる
第6章 泣かせますね、裁判長―法廷は人生道場
第7章 ときには愛だって語ります―法廷の愛憎劇
第8章 責めて褒めて、褒めて落として―裁判官に学ぶ諭しのテク
第9章 物言えぬ被害者を代弁―認められ始めた「第3の当事者」
第10章 頼むから立ち直ってくれ―裁判官の切なる祈り