薬価収載と薬価改定

私が勤務する老健では、1日あたりの薬価を計算するソフト「通称:やっか君」をFilemakerProにて作成し、運用している。同ソフトを利用すれば、該当する医薬品を瞬時に検索して選ぶことが可能で、同時に薬価も表示される。1日に必要な医薬品をそれぞれ検索することで半自動的に1日あたりの薬価を試算することが出来るわけだ。無論、医療機関側と医薬品メーカーとの直接交渉により個々の医薬品薬価はいくらか安くなる。そのため、あくまでも公定価格で計算した場合の薬価である。 同ソフトで使用する医薬品のリストは、厚生労働省診療報酬情報提供サービスの「医薬品マスター」(csv形式)をダウンロードしてインポートしている。同マスターは、およそ2ヶ月に1回の割合で更新されており、平成20年3月7日現在19,210件が収載されいてる。これがあるお陰で、現時点で薬価収載されている最新の医薬品とその薬価が利用可能であり、わざわざ書籍やインターネットの医薬品検索を使用しなくても良い。本サービスは、もちろん無料である。 新薬の収載や薬価改定がどういった時期に行われるのかを知るために、以下メモ。 ・薬価基準への収載は、新医薬品については、年4回とされている。(中略)その収載時期は、承認後できるだけ早く行うものとし、原則として、承認後60日以内、遅くとも90日以内収載することが合意された。 ・なお、医療上非常に重要な医薬品についてはこれらとは別に臨時に収載されることがある。HIV感染症治療薬がこの取り扱いを受けている。 ・新しい輸液のような準新医薬品及び新キット製品は原則として年2回、6月と12月に収載される。 ・薬価をできるだけ実際の購入価格に近づけるために、原則2年に1度薬価改定が行われる。 ・錠剤では日本薬局方収載品であれば9.70円、その他の医薬品であれば6.40円というように医薬品の種類、剤型区分ごとに最低薬価が定められており、薬価改定の際この価格を下回った場合はこの最低薬価が薬価となる。 出典:白神誠「第6章 薬価の現状と課題」遠藤久夫ほか編『講座 医療経済・政策学第2巻 医療保険・診療報酬制度』勁草書房,2005.3,pp165-183