「英政府が緊急予算案発表、VAT20%への引き上げなどが柱」『ロイター』2010年 06月23日

【関連】 ・財務省付加価値税率(標準税率)の国際比較(未定稿)」2010.1 ・財務省主要国の付加価値税の概要(未定稿)」2010.1 以下、ロイターHPより転載。


「英政府が緊急予算案発表、VAT20%への引き上げなどが柱」『ロイター』2010年 06月23日 [ロンドン 22日 ロイター] 英連立政権は22日、付加価値税(VAT)率の20%への引き上げや銀行特別税導入を柱とする緊急予算案を発表した。厳しい緊縮財政策の導入により、過去最悪の水準に膨れ上がっている財政赤字を向こう5年でほぼ解消することを目指す。  英国の財政赤字国内総生産(GDP)に対する比率は11%と、債務危機に見舞われたギリシャに匹敵する。オズボーン財務相は、向こう5年で同比率を1%に引き下げることを確約した。  同財務相が発表した予算案によると、付加価値税率は2011年1月に現行の17.5%から20%に引き上げられる。また、独仏両国と足並みをそろえて銀行への特別税を導入、年間20億ポンドの税収を見込む。さらに、キャピタルゲイン税率を現行の18%から28%に引き上げる。  また、国民保険負担率を11年4月に1%ポイント引き上げる前政権の計画を踏襲する。  一方、所得税課税最低限度を引き上げ、約100万人を課税対象外とする。また、法人税率を11年に現行水準から1%ポイント引き下げ27%とし、その後も継続的に引き下げる。  財政緊縮の4分の3以上は歳出削減で賄う。歳出削減策には、公務員給与引き上げの2年間凍結などが含まれる。また、オズボーン財務相は福祉関連支出を110億ポンド削減することを検討していることを明らかにした。  歳出削減の詳細は10月20日に予定される歳出見直しまで明らかにされないが、同財務相医療保険・海外援助以外の部門の予算は向こう4年で25%削減される計算になると述べた。  英経済の成長見通しについて同財務相は、財政緊縮措置により10年と11年の成長率は従来予想よりも緩やかなペースになるとの見通しを示した。ただ、その後は成長が加速するとしている。 同財務相は10年の成長率が1.2%、11年は2.3%との見通しを明らかにした。予算責任局(OBR)が先週示した予想は、10年が1.3%、11年は2.6%だった。  オズボーン財務相は成長率が12年に2.8%、13年にはOBRの予想を上回る2.9%に達すると予想した。  政府部門の縮小により民間部門の活性化が期待できるほか、金利がより長期間にわたってより低水準で推移するとしている。  2010/11年度の公的部門の借入額は1490億ポンドと、OBRの予想(1550億ポンド)を下回るとの見通しを示した。  11/12年は1160億ポンド、12/13年は890億ポンド、13/14年は600億ポンド、14/15年は370億ポンド、15/16年は200億ポンドとしている。  同財務相は議会で「借入額の国内総生産(GDP)比は今年の10.1%から15─16年に1.1%へ低下する」と述べた。