「七転び八起き 生活保護発信 フリーライター みわ よしこさん(51)」『西日本新聞』2015年01月28日

生活保護のリアル」『ダイアモンドオンライン』でお馴染の、みわよしこさんのインタビュー記事を読みました。


「七転び八起き 生活保護発信 フリーライター みわ よしこさん(51)」『西日本新聞』2015年01月28日
http://www.nishinippon.co.jp/feature/story_blue_sky/article/142075

 経済誌を発行するダイヤモンド社のネット版で連載中の記事「生活保護のリアル」(原則週1回)が2012年6月のスタート以来、100回の大台を超えた。筆者はフリーライターみわよしこさん(51)=本名・三輪佳子、福岡市出身、東京在住。いじめ、リストラ、精神の病、身体の病…。度重なる試練を経て「何かあっても生活保護が救ってくれる」と開き直れたという。科学誌などへの原稿執筆の傍ら、連載では身をもって知った制度のありがたさを訴え続けている。
 国が困窮するすべての国民に必要な保護を行い、その自立を助長する-。生活保護法は第1条で、そう法の目的をうたう。「大阪市では、法の趣旨や精神からいって『ありえない』と言うべきことが続発している」。みわさんは連載で、行政の後退も歯に衣(きぬ)着せずに告発する。取材した受給者は500~600人。「働けるのに働こうとしない人なんて、ほとんど出会ったことはないです」
 感受性が豊かな少女だった。ピアノに書道、電子工作と、さまざまな習い事や遊びに熱中した。小学生の時から、小説を書こうと原稿用紙に向かった。
 最初の試練は中高一貫の女子校時代に訪れる。早熟だったのが嫌われたのか、いじめに遭い「何度も死にたくなった」という。
 大学受験にも失敗。2浪して「手に職をつけたい」と都内の理系大学に進み、
大手電機メーカーで半導体製造の研究職に就く。
 ところが会社が業界再編・縮小の波にのまれ、肩たたきにあった。長く折り合いをつけていた精神障害が悪化し、36歳だった2000年3月に会社を辞め、療養と就労を両立できるフリーライターの道を選んだ。
 コンピューター関係の専門学校で講師の職なども得て、ようやく暮らしが安定した頃、またも試練が。05年秋、手足の動きが急に鈍くなった。病名は「末梢(まっしょう)神経障害」。原因は不明。外出には車いすが欠かせなくなり、講師の職を失った。
 家賃や車いすのリース代など必要費用を差し引くと、食費などに回せるお金は月1万円程度に落ち込んだ。空腹で「もうおしまい」と、都の社会福祉協議会に相談に向かった。間違えて、保護課窓口に行くと、生活保護の申請を勧められた。
 「何かあっても、救ってくれるんだ!」
 思いがけず、ぱっと心に花が咲いたようだった。保護は受けなかったが、安心したら力が湧いてきた。精力的に雑誌社に企画を売り込み、次々とものにした。学ぶ意欲も高まり、筑波大の博士課程で電子・物理工学を修得し、現在は立命館大の博士課程にも通い、生活保護制度を研究する。