駆け出しマネジャー

今の自分にとって、フィットするのはこの2冊。

中原淳『駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ)』中央公論新社,2014/5/9

○内容

「実務担当者から、いかに生まれ変わり、マネジャーとして働き始め、成果をあげられるようになっていくのか」――突然化・二重化・多様化・煩雑化・若年化という5つの職場環境の激変で、いま3割の新任マネジャーはプレイヤーからの移行に「つまずく」。成果を出すために、何を克服すべきか? 人材育成研究の知見と、先達マネジャーへの聞き取り調査をもとに、新任マネジャーが直面する7つの挑戦課題について、それをいかに乗り越えるかというトランジション(移行)のプロセスを考える。
7つの挑戦課題とは……
(1)いかに部下育成を行うか?
(2)いかに政治交渉を進めるか?
(3)いかに迅速で間違いない意思決定を行うか?
(4)目標をいかに咀嚼させ、納得解を得るか?
(5)年上の部下など多様な人材をいかに活用するか?
(6)いかに心折れないようにマインドを維持するか?
(7)プレーヤーとマネジメントのバランスをいかにとるか?
本書のキーになるのは、マネジャーの成長モデル「マネジメントのラーニングスパイラルモデル」。
マネジャーが、これからどのようなことが起こるを前もって知ること(リアリティプレビュー・アクセプト)、自分の職場や部下や上司の状況を振り返り、次のアクションをとること(リフレクション・アクション)を支援し、そのための素材を提供するなど、実践的アドバイスも充実。
現場のマネジャー必読! 会社・人事・経営者には「マネジメント支援として何が可能か?」を考えるヒントに。
○目次
プロローグ――駆け出しマネジャーの皆さんへ
1章 マネジャーとは何か?
2章 プレイヤーからの移行期を襲う5つの環境変化
3章 マネジャーになった日――揺れる感情、7つの挑戦課題
4章 成果を挙げるため、何を為すべきか――振り返りとアクションをめざして
5章 マネジャーの躍進のため、会社・組織にできること
6章 〈座談会〉生の声で語られる「マネジャーの現実」

○コメント
マネジャーへ移行する段階でのつまづきについて、科学的に検証し言語化を試みている。こちらは、プレイヤーとマネジャーのバランス(プレマネバランス)について論じている。文章がとても分かりやすい。


出口治明『部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない』角川書店,2013/11/22

○内容
60歳で起業―そこから、最強のチームをつくりあげた「マネジメントの原理原則」!

○目次
1章 上司になったら「任せるしくみ」をつくりなさい(いい上司への一歩―マネジメント能力の限度を知る
100人分の成果を上げるために100人に仕事を任せる ほか)
2章 デキるリーダーは常に「いい任せ方」をしている(権限の範囲を示さない振り方を「丸投げ」という
指示は徹底して「具体的、かつ的確」に出す ほか)
3章 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない(部下の仕事が「60点」なら、“合格点を与えなければならない”
「仕事を抱えてしまう上司」の残念な共通点 ほか)
4章 この上司力で「チームの実力」を一気に上げる(「新しいアイデア」は「他人の頭の中」にあった!
任せられるから、「できるようになる」 ほか)
5章 「時間を殖やす」「成果を殖やす」人材マネジメント(「知っている人」を知っている人は、任せ方がうまい
餅は餅屋。専門家に任せたほうがいい場合 ほか)

○コメント
こちらは、プレイヤーとマネジャーの両立は難しいと論じている。文章がとても分かりやすい。かなり斬新な切り口のアドバイスが得られる。というか、基本的に私が出口氏の著作が好きなんだとつくづく思う。