平成30年度第2回尾張東部ブロック研修会

2018年10月24日、平成30年度第2回尾張東部ブロック研修会に参加するため業務後、愛知医科大学病院へ行ってきました。来年2月9日の研修に向けてアイデアを膨らませるための取材も兼ねています。忘れないうちにメモ。

テーマは、人生の最終段階における意思決定支援においてソーシャルワーカーはどこにフォーカスするのか?

〇講義印象に残ったこと

・クライエントの死生観だけではなく援助者自身の死生観について話し合う場が必要。
・ACPやEOLを行うには入院してからではなく外来通院時からの関わりが重要。そのためには、外来ソーシャルワークの充実が課題。
ソーシャルワーカー部門の人員には限りがある。ACPを行っていくのにどの対象に関わっていくかの選択が必要。ポイントは身寄りのない人や、判断能力が十分ではない人。・
・講師は既に、ミクロソーシャルワークだけでなく、組織メゾ・地域メゾへの展開に着手している。組織メゾの具体例は、ICへの同席、倫理カンファレンスへの参加、院内リビングウィルの実施、職種間の意思決定能力の評価(Grisso, et al. 1998)のズレを最小化するためツール化(4件法)。地域メゾの具体例は、地元医師会と協働によるACPファシリテーターの養成、地域でのリビングウィルのツール展開(予定)。
・倫理カンファレンスにMSWが呼ばれるようになったことはよいこと。但し、「誰でもいいからさんかしてください」と言われると、多職種カンファレンスの体裁を整えるために呼ばれているだけではと思うことも。形だけでなく中身のあるものにしていく必要がある。
・本人が判断できなくなった時に、これまで「家族はどのように思われますか?」と聞いてきた。しかし、「本人だったらどうしたいと思いますか?」「本人が大切にしていたことはなんでしたか」など本人を空芯に据えた話をしていくことが大切。

〇ワールドカフェで印象に残ったこと
ソーシャルワーカーの行う意思決定支援の強み
・身寄りがない人、判断能力が不十分な人への関わり
・院内に留まらず地域につなぐ。またただ地域につなぐのではなくクライエントと社会資源の愛称も意識できる。
・医師と同様に入院・外来を分けることなく一貫して関わることができる。そのためACP/EOLについてもクライエントの物語を分断することなく把握できる。
・急性期・回復期・慢性期とソーシャルワーカー同士で引き継げる。
・医療行為の選択だけでなく、家族のこと、経済的なこと、死後の家財整理など総合的にクライエントと話し合うことができる。
・(在宅専門の機関に所属する場合)住民への啓発というアプローチが可能。
・医師や看護師からの話をクライエントに対して通訳したり、一度立ち止まって納得できるように話し合うことができる。

〇考えたこと
・800人いる会員がACP/EOLに対して同じ理解ではない。所属機関によっても展開は異なる。その中でも共通するテーマとは。それはACP/EOLの議論におけるソーシャルワーカーの独自性であろう。
・MSW各自は、ソーシャルワーカーの独自性について言語化することは慣れていない。どうしても、日常業務の課題についてつれずれと話してしまう。テーマを意識して話をすることの難しさ。議論する場合は、その点についてよく準備をする必要がある。

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愛知医科大学病院の夜景

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立石プラザ3F交流ラウンジ