研修報告「ソーシャルワークの価値と倫理を考える」主催:愛知県医療ソーシャルワーカー協会

昨日、愛知県医療ソーシャルワーカー協会主催の研修に参加しました。テーマは、「ソーシャルワークの価値と倫理を考える」でした。参加者は、40名程度。 午前は、中部学院大学の川田誉音先生の講義。午後は、金城学院大学浅野正嗣先生と日本福祉大学の山口みほ先生によるファシリテートでグループワークを行いました。 川田先生は大学院時代にソーシャルワークの演習でお世話になりました。今の職場に就いたのもその演習で見学に行ったことがきっかけです。また、先生は、ソフィア・T・ブトゥリム『The Nature of Social Work(邦題:ソーシャルワークとは何か』川島書店,1976(日本1986)の翻訳者としても有名です。 【印象に残った言葉】 ・日本医療社会事業協会誌『医療と福祉』の創刊号(1964)から12回に渡って、「○○は貧困・病気・死をどう考えたか」という連載があった。 ・ソーシャルワークは価値中立ではありえない。 ・ソーシャルワークは価値を担う専門職。 ・ソーシャルワークの価値の5つの次元 ①ソーシャルワークの価値前提 ②ソーシャルワークの目標 ③対象認識と自己認識 ④実践原理・原則 ⑤専門職倫理 ・ブトゥリムはバイスティックの関係の原則を「中範囲の原則」と位置付けた。 ・ストレングスの視点には2つある。弱い面もあるが強い面もあるとうい視点。しかし、もう一つは弱さとみられる点も強みかもしれないという視点。 ・英国『ソーシャルケア・ワーカーと雇用者の実践綱領』(2002)では、ソーシャルワーカーの雇用主に対して、例えば「研修、トレーニング、能力開発の機会を(ソーシャルワーカーに)提供する」ことを求めている点が注目される。 →同日本語版2010年版(英語)もあり。 ・「英国においてもソーシャルワークをめぐる状況は決して満足のいくものではない。ひとつには財政的理由があるが、それがすべてではない。関係の質を問うことを犠牲にして技術を過度に強調するようになっている」 →川田先生が本研修のためにブトゥリム氏に書いた手紙への返信の一部。 ・私たちはソーシャルワークを通して何を実現しようとしているのか。 【川田先生が挙げられた参考文献】 ①鰺坂真「価値とは何か」鰺坂・上田他編『倫理学―人間の自由と尊厳―』世界思想社,2004 ②マックス・ウェーバー(戸田武雄訳)『社会科学と価値判断の諸問題』有斐閣,1947 ③岡村重夫『社会福祉言論』全国社会福祉協議会,1983 ※作成中 2013112407250000.jpg  懇親会の前菜