新刊案内

それぞれ、本日と明日発売。


岩崎晋也ほか編『社会福祉研究のフロンティア』有斐閣,2014.10.27

○内容

研究を志す人たちへ
これから研究を始め,卒業論文修士論文を書こうとしている人に向けたガイドブック。個別テーマごとに,基礎的な概念や理論,実践,最新の研究動向や必読の先行研究を見開き4ページでコンパクトにまとめ,社会福祉研究の奥深さ・おもしろさを伝える。

○目次
第1部 価 値
社会的ニード/ポストモダンにおける福祉/福祉の規範理論/福祉の逆機能/社会福祉サービスの権利性/社会的包摂と排除/アクティベーション/市場化/援助の思想/ボランタリズム/パターナリズム/正義/仏教と社会福祉/キリスト教社会福祉/死生学と社会福祉
第2部 対 象
社会的孤立/ひきこもりの現象と援助/子どもの貧困・若者の貧困/子ども虐待/ひとり親家庭/被虐待高齢者/ 介護殺人の現象と援助/DV/犯罪被害者/薬物依存/自殺対応/ホームレス/発達障害の特性とソーシャルワーク/外国籍住民/都市集合住宅民の生活支援/過疎地域(中山間地域限界集落)/被災地

第3部 方 法
地域を基盤としたソーシャルワーク/自己决定支援/権利擁護/スーパービジョン/社会福祉従事者のキャリア形成/ 総合相談システム/生活保護/医療ソーシャルワーク/スクールソーシャルワーク/地域組織化/福祉教育/セルフヘルプグループとの協働/脱施設化/福祉計画/地域内分権/社会福祉法人/ ローカルガバナンスと市民セクター/福祉サービスと公民パートナーシップ/準市場/社会的起業

○コメント
類似のものとして10年前には、平野隆之ほか編『社会福祉キーワード (有斐閣双書KEYWORD SERIES)(補訂版)』有斐閣,2002という本がありました。大学院の受験と国試に重宝しました。

L. ドイヨルほか(山森 亮ほか監訳) 『必要の理論』勁草書房,2014.10.28

○内容
政府が個人の幸福追求を支援するために講じる手段には様々なものがあるが、それらはどんな理由によって決まるのか。自立と依存を対立するものとしてとらえるのでなく、何が人の「必要」なのかという観点から、様々な政策を位置づけ直さなくてはならない。「必要」について包括的に理論化し、福祉研究分野で高い評価を受けた一書。

○目次

第I部 相対主義と人間の必要という問題
第1章 誰が人間の必要を必要としているのか?
1.1 正統派経済学:必要とは選好である
1.2 新しい右翼:必要は危険である
1.3 マルクス主義:必要は歴史的である
1.4 文化帝国主義批判:必要は集団固有のものである
1.5 根源的民主主義:必要は言説的である
1.6 現象学的議論:必要は社会的に構築されたものである
第2章 人間の必要の不可避性
2.1 正統派経済学:評価の循環性
2.2 新しい右翼:結局のところ普遍性
2.3 マルクス主義:決定論という冷笑的な眼差し
2.4 文化帝国主義批判:抑圧の客観性
2.5 根源的民主主義:集団の道徳のロマン化
2.6 現象学的議論:社会的実在の反撃
第3章 「必要」の文法
3.1 衝動としての必要
3.2 目標と戦略としての必要
3.3 必要、相対主義、道徳性
第II部 人間の必要の理論
第4章 身体的健康と自律:諸個人の基本的必要
4.1 人間の行為と相互行為の前提条件としての必要
4.2 基本的必要としての生存/身体的健康
4.3 基本的必要としての自律
4.4 必要充足の比較における諸問題
第5章 基本的必要充足の社会的前提条件
5.1 個人の自律の社会的側面
5.2 四つの社会的前提条件
第6章 人間解放と必要充足への権利
6.1 義務、権利、道徳的相互性
6.2 特殊な責務と必要充足の最適化
6.3 相対主義と人間解放への見通し
6.4 補論:敵の必要充足への権利
第7章 理論における必要充足最適化
7.1 ハーバマスと合理的コミュニケーション
7.2 ロールズ、正義そして最適な必要充足
7.3 ロールズの修正
7.4 ロールズ批判
7.5 国際主義、エコロジー、未来世代
監訳者あとがき
参考文献
事項索引
人名索引

○コメント
また、新しいニード論が発売されました。何をもってニードとするか。時々こういう本を読んで立ち位置を確認する必要があります。